朝は大正義、虐殺器官を観た
昨日散々母のことで大変や…おしまいや…
みたいなことを書いたが、ぶっちゃけその後10時間ぐらい寝た。
朝起きたら、まあなっちまったんだからしゃあないやろ、公的支援も整ってるし、どうにかしようとすればどうにかなるし、楽しく過ごすことが大事やん?
という薄情なぐらいツルっとした感情で朝を迎えた。
やっぱり朝は大正義だ。
僕の大好きな作家、恩田陸も同じようなことを言っていた。
『朝というものは人を正気にさせ、全てを日常に引き戻す。数時間前に重大に思えたことがちっぽけなものになり、妖しく輝いて見えたものが安っぽく色褪せて見える。』(恩田陸、『木漏れ日に泳ぐ魚』,P273)
まあとにかく目の前のことだ。母親の感情をトレスしてあからさまに悲しがることはない。意味ないしね。
やっぱり夜はぐちゃぐちゃ意味のないようなことを考えてしまう。
でも昨日は仕方ないか…。はっきり言って衝撃的だった。
今日も母には連絡しなかった。どうせなら選考の転職の進捗と併せて話そうと思ったからだ(退職したことは言っていないが転職することは話している)。
本命の団体から書類選考の結果はもうちょい待ってねという連絡が入る。
なんでも応募人数が多くて選考に時間がかかっているということらしい。
それでも有望な人は先に連絡が入ることだろう。早く囲っておきたいと思うだろうし。
ちょっと望み薄かもしれない。
明日でもう1週間だ。明日連絡が来なければ、落ちた前提で行動するようにしよう。
と、そんなこんながあった昨日今日だったが、今日も今日とて映画を観る。
だって映画好きなんだもん。
SF小説が好きなので処女作を出して2年の34歳の若さで急逝した伊藤計画という人物は知っていたし、原作を手にとってチラ見したこともある。
なんとなく合わなくて結局読まなかったが、U-nextに上がっているのを見て観ることにした。
拷問とかそういうシーンはないが、少年兵をガンガン殺していくシーンとか人体欠損シーンがあるのでアニメにして正解だったと思う。人によっては観るのが辛くなるか。
2001年同時多発テロを分岐点としたパラレルワールドの話である。
十数年後、プライバシーと引き換えにテロ対策を徹底させたアメリカをはじめとする先進国と内戦と虐殺が横行する発展途上国とに世界は分断されていった。
まあ現在の世界をより酷くしたバージョンって感じだね。
そして実は各国で内戦と虐殺が拡大していく裏には一人の扇動者がいて、その男と文学部出インテリアメリカ特殊部隊員の戦いが物語の主軸
主人公含めインテリが多いので、高度な話が多い。
というか衒学趣味に近いような言葉も出てくる。
サピラ=ウォーフ仮説とかなんやねん。
カフカもベケットも読んだことないのでニュアンスが微妙に分かってない部分があると思う。歴史は好きなので、その辺のことはだいたいわかった。
まあ、分かってなくても物語の主軸には関わってこないから大丈夫だけど。
作中では言葉、というより文法によって人の本能的な攻撃性を呼び覚まし、虐殺を仕向けるという描写がなされていた。
うーん、SFらしい素晴らしい表現だと思う。
文法によって攻撃性が高まるということは実際にはないと思うが、言葉が秘める恐ろしさを表している。
作中に過去にあった虐殺の事例として、ナチスの蛮行も挙げられていたがヒトラーが残した名言は言葉の恐ろしさを思い起こさせる。
『嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる。』
ん?これって某国大統領をはじめとしてポピュリスト政治家の基本的なお仕事だよね?と思ってしまうのは全く恐ろしい。
彼らを担ぎ上げるような人々もすぐ虐殺に扇動されそうだもんなぁ。現代でもありえない話じゃないよなぁ。
ラストはとてもよかったね。ぶっ壊れちゃったね。
制作はノイタミナでエンディングはEGOISTでムツカシイ話が連発してまあまあグロいってところでぶっちゃけアニメ『PSYCHO-PASS 』と被る。
そして敵役の男もPSYCHO-PASS の敵役・槙島と似てる…。
そんな感じでとてもよかったね。アニメも綺麗だったしね。
さてしばらくジムに行っていない。
確実に太って来たと思うので、明日こそ行かなくては…。
つーか今日で日記1週間続いた!驚くべきことですよ、これは